
様々な施設で介護の経験をした私が介護保険外サービスを始めた理由。それは「自立支援」にもっと力を入れ、高齢者の方に「できる」「やりたい」という気持ちを大切にしてほしかったから。
今日は私が大切に思う「自立支援」についてと、また施設経験を通して感じた違和感についてお話し用と思います。
1.自立とは

自立と調べると「他からの支配や助力を受けずに、存在すること。」と書いてあります。(出典:コトバンク)歩いたり食べたりと何か行動をする際、他の人の協力を借りずに一人で行動できることをいい、介護業界ではよく使う言葉です。
「自立支援」とは、ひとりで活動出来るように介護者が支援すること。例えば歩くのが不安定であれば手をつなぐ、腰を支えるなど少しだけサポートをして本人の「できる」を活かしていきます。
自分も含めて相手に対しても、「できない」部分に目がいってしまいがちですが、その方の「できる」ことを見つけ、その人が持っている能力を活用しサポートしていきます。この時、先回りして支えすぎるのではなく、本当に本人が必要としている介助・支援だけをするということがとても大切です。
サポートしすぎて本人の「できる」を奪わないようにしなければいけません。
2.自立した行動がもたらすメリット

自立した行動がもたらす一番のメリット。それは何と言っても「自分で出来る」という自信に繋がることではないかとわたしは思います。家族や他人の力を借りた場合、どうしても「迷惑をかけてしまった」と感じてしまうのではないでしょうか。わたしもきっとそう思ってしまうと思います。
自分自身でやることを決め、自分の力で行動出来たとしたら高齢者の方にとってそれは大きな自信になります。
施設で働いている時は、忙しくてついつい手を差し出してしまいがちでしたが、この仕事を始めてからはなるべくご本人の力で、そして支える時はご本人が必要とするところだけサポートするように心がけています。次にお話しますが自信がもてるというのは本当に本当にとても大切なことだと思っています。
3.「生きがい」のある幸せ

自信がもてるなにかを見つけたら、それはその方の生きがいになると思います。
例えばスマホレッスンをした91歳のおばぁさま。LINEを一緒に学び練習をした甲斐があり、お孫さんとやりとりが出来るようになりました。
離れて暮らすお孫さんには年に1.2回しか会えないそうです。今ではほぼ毎日写真を送ったり連絡を取り合っているようで、お会いするといつも嬉しそうにお孫さんとのLINEを見せてくださいます。
この方にとってお孫さんとのやりとりは確実に生きがいとなっています。足腰が弱く外出はあまり出来ませんが、お孫さんとのやりとりを見返して楽しんでいるとお話してくれました。
年齢を重ねると夢や希望を忘れてしまうことが多い中、こうやって生きがいを見つけられたらどれだけ幸せなことでしょうか。
いつまでも「生きがい」を持って暮らしたいとわたし自身も思っています。
4.介護施設での体験談
「高齢者の方を笑顔にしたい」
介護施設で初めて働いたときからずっとその気持ちは変わりません。
初めて働いた施設は有料老人ホーム。何もかも知らないことばかりで毎日がとても新鮮で、楽しかったのを覚えています。(今ももちろん楽しいです笑)初めのころは排泄介助や入浴介助、移乗のやり方など覚えることがたくさんあったので、とにかく先輩についていこうと必死でした。
業務に慣れ始めひとりで任されるようになったころ、わたしの気持ちには何か違和感を感じているような気がしていました。その頃はまだ何がそうさせているのかはっきりわからず、でもなんだか自分の想像していた達成感ややりがいというものは得られていないような気がしていました。
ここではわたしの体験談をお話していきます。
5.介護業務を通して感じたわたしの違和感とやりたいこと

高齢者施設では何人もの利用者さんとお別れをしてきました。
ある日、私のことをとても可愛がってくださっていた方が亡くなりました。本当にショックで悲しくて苦しくて、「こんな辛い思いをするために働いているんじゃない」とまで思うほど…この女性とのお別れを機に、私はずっと胸に感じていた違和感に気付き始めました。
「わたしは利用者さんに寄り添えているのか…?」
忙しいから話しかけてくれた利用者さんに「あとでまた来ますね」と言っている
忙しいから「どこかに行きたい」との声に「そうですね…」と言うだけになっている
忙しいから食べずらそうにしている利用者さんに積極的に食事の介助をしている
忙しいから忙しいから忙しいから…
本来であれば話しかけてくれたら手を止めて横に座ってお話したい。
「どこか行きたい」のなら一緒に外出の計画をたててあげたい。
食事が食べずらいのなら一緒に食べやすくなる方法を考えたい。
気付けば大好きな利用者さんがどんどん状態が悪くなっている気がする…みんな献身的に介助しているのになんで?
自立支援が出来ていないからなのではないか…
まだ利用者さんには維持する力があるのに、寄り添って練習したり話を聞いたりできないのは人員不足の介護職側の問題もあるのではないか…
この違和感に気付いてから、どんどん働くのが苦しくなっていきました。その後デイサービスやサービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームでも働きましたがどこに行ってもほとんど同じ。やはり介護業界は人員不足。スタッフはみんな利用者さんのためにと働いています。本当なら寄り添ってあげたいと思っています。でもどこの施設も、やはりひとりひとりに寄り添う時間はありませんでした。
この違和感に気付いてから自分のやりたい事が明確になっていきました。
「私がやりたいことはみなさんの「やりたい」という気持ちに応えることだ!」そう気付いてからは少し気持ちが軽くなった気がします。
介護保険外サービスを始めてからも施設で感じた違和感を忘れないように、毎月1、2回ほど施設で働かせていただいています。きっと働いているスタッフの方は、内容は違えど悩みや違和感を抱いて働いていると思うと自分が現実逃避してしまったように思えて、施設で働くことも続けなければと常に感じています。
6.まとめ

自立支援の大切さが少しでも伝わったらうれしいです。
ありがたいことに、いま私の両親は元気に暮らしています。年を取りいつか身体がうまく動かせなくなったり認知症で同じことを繰り返し話したりする日が来るかもしれません。どんな状況でも「できる」ことは必ずあります。たとえ「頷くこと」しかできなかったとしても、そのできることを大切にしたいと思っています。
「できない」ことばかりに目を向けるのではなく「できる」ことを大切に、それを維持できる支援をしていきたいです。自分の親族には特に、「できない」ことばかりに目がいってしまいそうなので…この気持ちを忘れずに毎日を過ごしたいなと思っています。
今日もブログを読んでくださり、ありがとうございました。